日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.10 (2013)

表題:
産業へのオゾンの利用技術[2] 養鶏産業におけるオゾンの利用
著者:
横関正直(食品・環境衛生研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.10,pp.567-574(2013)

我が国養鶏産業におけるオゾンの利用は,現時点では,いわゆる養鶏場においてはほとんど実態がなく,GPセンター,食鳥処理場,種鶏場といった関連企業において限定的に利用されている。GPセンターでは主として洗卵殺菌において次亜塩素酸ソーダの代替に使用されているが,保管中の卵殻殺菌,無洗卵の卵殻殺菌あるいは貯卵室の消毒にも効果が認められている。種鶏場では種卵の消毒や孵卵機の消毒にフォルムアルデヒドガスの燻蒸の代替に用いられているが孵化直前の孵卵機内消毒には燻蒸に比して効果がやや低いので利用されていない。食鳥処理場でも次亜塩素酸ソーダの代替として,と体冷却水の殺菌に使用されている。廃水処理にはかなり普及していると言われるが,その理由は屋外のために排気設備が不要な点であるという。現場におけるオゾン利用の普及の障壁は,高額な初期投資と効力が速やかに消失するというオゾンの性質,ならびに有毒ガス排除のための排気設備のコストである。今後,一般の養鶏場に普及するには大能力でかつ低価格な発生機が開発されねばならないであろう。

Key words:
GPセンター/洗卵殺菌/食鳥処理場/と体冷却水/種鶏場/種卵消毒/廃水処理/ネズミ忌避効果/フォルムアルデヒドガス燻蒸.