住宅内水周りに発生するピンク色汚染の原因微生物に対するrosemary,teatree,peppermintの抗菌・抗真菌性を評価した。31家庭の水周りから採取したピンク色汚染を調査した結果,細菌のMethylobacterium,酵母のRhodotorula,糸状菌のFusariumが汚染原因微生物であることが分かった。そこで,これらの微生物の標準菌株に対する精油蒸気の抗菌・抗真菌性を寒天蒸気法により評価した。精油20μlへ1日間曝露した場合の阻止円は,全ての精油において対照菌のEscherichia coliに対しては認められなかったが,Methylobacterium mesophilicumに対して80mm以上となった。同様に5日間曝露した場合の阻止円は,全精油において対照菌のCandida albicansに対しては認められなかったが,peppermintではRhodotorula mucilaginosaに対して80mm以上となった。以上の結果より,ピンク色汚染の対策法として精油の利用が有効であると推察した。