日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.2 (2014)

表題:
産業へのオゾンの利用技術[8] 食品及び食品原材料のオゾン殺菌
著者:
内藤茂三(食品・微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.2,pp.91-98(2014)

オゾンによる食品及び食品原材料の殺菌効果について概説を行った。食品の保存期間を延長するためには製造環境の衛生管理も大切であるが,食品及び食品原材料の菌数低減化も重要である。穀類,穀粉,豆類及び香辛料由来の微生物は食品へ移行して増殖し,食品の変敗を促進する。オゾンガス処理した小麦粉を用いて製造した生めん,餃子の皮,オゾンガス処理した豆類を用いて製造した生あん及びオゾンガス処理した穀粉(ワキシーコーンスターチ)を用いて製造した生切りもちの保存期間が延長した。この原因は原材料のオゾンガス処理により初発菌数が減少したことによる。オゾン水による野菜や果実の洗浄は,特定の微生物の生育を抑制することにより鮮度保持期間が延長した。水産加工食品のオゾン処理の効果はイカ,タコの燻製品に顕著であった。これらの製品は二次汚染菌が多いので製造工程中(燻乾,燻煙,冷却)でのオゾンガス処理が有効であった。

Key words:
オゾンガス/オゾン水/小麦粉/生めん/餃子の皮/野菜/果実/水産加工品.