ウォーターサーバーとは,家電本体にボトル(バッグ)をセットして冷水や温水を使用できる機材である。2011年の東日本大震災以来,オフィスを中心に普及してきたウォーターサーバーが一般家庭用として急激に増加している。ウォーターサーバー水は,製品水,すなわち容器を開封するまでの水は食品扱いであり,食品衛生法の対象となるが,ウォーターサーバーを通過した水はもはや食品ではなくなる。したがって,ウォーターサーバー水の衛生に関する法的根拠は現状では何もない。本稿では,ウォーターサーバー水の衛生的現状をお知らせするために,著者らが行ったウォーターサーバー水の細菌検査結果を示した。また,ウォーターサーバーの改良・開発に関する一助として,分離株に関する検討結果をまとめた。