Vol.44，No.12 (2016)

表題：

微酸性電解水を用いた欧州標準試験法EN1500に基づく手指衛生に対する消毒効果の検討（原著論文）

著者：

眞野容子（文京学院大学 保健医療技術学部臨床検査学科），大谷彩恵，三上愛里（文京学院大学大学院 保健医療科学研究科），中村悌一（森永乳業（株） 素材応用研究所機能素材開発部），蛸井浩行，藤田和恵，齋藤好信，弦間昭彦（日本医科大学 呼吸器内科），藤谷克己，古谷信彦（文京学院大学 保健医療技術学部臨床検査学科，文京学院大学大学院 保健医療科学研究科）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.44，No.12，pp.637−642（2016）

医療従事者の手洗い，手指消毒は医療関連感染を予防する最も基本的かつ重要な行為である。微酸性電解水（Slightly Acidic Electrolyzed Water；SAEW）は強力な殺微生物作用を有し芽胞形成菌やアルコール系消毒薬が効きにくいウイルスに対しても効果がある。よって本研究ではSAEWを生体消毒薬として使用した場合の有用性について欧州標準試験法EN1500に基づき手指消毒効果の検討を実施した。その結果，SAEWはベースンを用いて1200mL以上の量で30秒以上手指全体を洗う手洗い法であればアルコール系手指消毒薬と同等の効果があり，アルコール系消毒薬の代替として手指消毒薬として使用が認められる。

Key words：

Slightly Acidic Electrolyzed Water；SAEW（微酸性電解水）/Hand antisepsis（手指消毒）/Nosocomial infection（医療関連感染）/European Standard EN1500（欧州標準試験法EN1500）．