日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.1 (2013)

表題:
文化財の生物被害の現状と対策[10]
博物館・美術館のカビとその対策-IPMによるカビ対策の考え方-
著者:
川上裕司((株)エフシージー総合研究所 環境科学研究室,ランビエンテ修復芸術学院)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.1,pp.53-59(2013)

高温多湿な日本では,文化財のカビや害虫による被害が深刻なことから,博物館や美術館では臭化メチルを含む燻蒸剤を長く使用してきた。しかしながら,臭化メチルが2005年に使用禁止となり,多くの公共施設でも室内環境中での化学薬剤の使用を制限するようになった。このような社会的背景から,総合的有害生物管理(IPM)を博物館や美術館でも実践しつつある。本稿では,筆者の「室内環境のカビ」についての長年の研究とIPMの実践を基に「博物館・美術館におけるIPMによるカビ対策」の考え方と調査法について解説する。

Key words:
Mold(カビ)/IPM(総合的有害生物管理)/Foxing(褐色斑点)/Aspergillus(コウジカビ)/Conservation Science(保存科学).