ナノマテリアルの物性を評価するためには,その構造や物性を原子・分子レベルで解明する必要がある。本稿では,ナノマテリアルと微生物を測定する際に有用な観察技術を中心に取り上げる。また,近年問題となっている作業環境中に浮遊するナノマテリアルの測定技術に関して紹介する。従来,化学,生物,物理というように分野ごとで研究が進められてきたが,ナノスケールというサイズの概念は,それぞれの分野を結び付ける働きをもたらしている。近年,ナノマテリアルと微生物を利用した産業用微生物の固定化方法,環境汚染物質の分解技術などが開発・報告されている。ナノマテリアルを上手に活用していくためには,ナノマテリアルの測定・分析技術は必要不可欠である。