空気と水からなる二相流(特に環状流)を配管系CIPのファイナルリンス工程に適用した場合の洗浄水削減効果について概説した。水飴をモデル汚れとして付着させたステンレス鋼製の1S配管を水平と垂直に配置した場合について,気液二相流による洗浄を各種流速条件にて行い,残留汚れの経時変化を検討した結果,空気の流速が小さい場合には,完全な環状流は形成されず,極めて低い洗浄効率となった。空気の流速を600 L/min以上に設定すると環状流が形成され,水のみの通常洗浄に比べて,洗浄効率を低下させることなく,使用水量を9割程度削減可能であることが示された。T字管やエルボ,ダイアフラムバルブを含む配管系についても洗浄効果を検討したところ,二相流洗浄の洗浄時間は通常の水洗浄の2倍程度必要であったものの,使用水量は8割程度削減可能であることが示された。