日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.5 (2013)

表題:
文化財の生物被害の現状と対策[12] 文化財汚染カビ多重検出技術の開発
著者:
一色淳憲(東洋製罐グループホールディングス㈱)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.5,pp.263-268(2013)

DNAチップを用いた新規なカビ同定技術について紹介する。本技術は,「多量サンプルを対象に,より多くのカビ種を経済的且つ短期間に一括多重解析できる技術」である。開発対象は室内環境における好乾性から好湿性までのカビ種で,検出頻度が高い種且つモノの生物劣化やヒトの健康被害に関与する種である。検出対象としてITS領域とβ-チューブリン遺伝子を選抜し,同一反応系で2領域同時検出可能な条件を確立した。更に野生株を対象にしたカビ種判別性能評価試験において,1菌種を1領域で判定するよりも2領域で判定する方が正確且つ形態同定法と同等以上の性能を示すことが確認できた。本技術は室内環境検査への応用が期待できる。

Key words:
DNAチップ/多重検出/室内環境.