ネコカリシウイルス(FCV)汚染カーペットを市販の高圧スチームクリーナーで水蒸気加熱処理した場合および水蒸気加熱と酸素系漂白剤を同時処理した場合の有効性評価を行った。カーペット上のFCVを含む模擬嘔吐物に対して,市販のスチームクリーナーで水蒸気加熱処理を行った結果,付属のクリーニングヘッドを用いると,長時間の処理でも,高いFCV不活化効果は得られなかった。しかし,改良型クリーニングヘッドを用いると,短時間の処理でFCVは検出限界以下になった。さらに,改良型クリーニングヘッドと酸素系漂白剤を同時に用いることで,より短時間の処理でも高い不活化効果が得られた。これらの結果から,カーペットをできるだけ損傷させずに嘔吐物中のノロウイルスで汚染されたカーペットを安全かつ有効的に不活化できる可能性を見出した。