大阪府下の154透析施設で,透析用水・原液ならびに透析液の培養を行った。8割の施設でROタンク後の透析用水からから菌が検出された。原液Bは原液Aと比べ,菌数も多く菌種も多彩であった。透析液では最下流のカプラ部で人の操作による汚染の可能性が疑われた。清潔操作を加味した清浄化策で介入し,20か月後に126施設で追跡調査を行った。どの部位も菌数は減少し菌の多様性も低下した。接触感染は認められなくなった。この結果から透析液および透析用水の生物学汚染基準要項に,生菌数のみならず菌種の同定を行うことを推奨する。