日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.8 (2013)

表題:
鉄処理陽性荷電炭化物による下水処理施設放流水中のノロウイルス除去に関する研究(ノート)
著者:
高橋知子(岩手県食肉衛生検査所,岩手県環境保健研究センター)佐々木陽,高橋雅輝,齋藤幸一(岩手県環境保健研究センター),木村博一(国立感染症研究所感染症情報センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.8,pp.427-432(2013)

本研究では,コーンストークおよびナラ材由来の鉄処理をした陽性荷電炭化物を用いて,下水処理施設放流水中に含まれるノロウイルスの除去効果について研究を行った。コーンストークおよびナラ炭化物は,水中のノロウイルスを吸着する効果を有し,その効果は,鉄処理の有無で変化した。鉄処理により陽性荷電化した炭化物はノロウイルスをより多く吸着し,放流水中のノロウイルス遺伝子が有意に減少した。また,炭化物の焼成温度よっても吸着効果は変化し,焼成温度がより高い(1000℃)炭化物で,より有意に減少した。今回の供試材料中では,1000℃で焼成した鉄処理コーンストーク炭化物による処理で,放流水中のノロウイルス遺伝子数が最も有意に減少した。今回用いた鉄処理炭化物は,環境水におけるノロウイルスの除去が可能であることが示唆された。

Key words:
Norovirus(ノロウイルス)/Fe-treated Charcoal(鉄処理炭化物)/Sewage-treated water(下水処理施設放流水).