日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.11 (2013)

表題:
フリーラジカル-活性酸素と殺菌ならびに測定,環境,疾患,薬剤,抗酸化物質,食品,抗菌,美容などとの関連について(そのⅡ)
著者:
新谷英晴(中央大学理工学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.11,pp.601-612(2013)

活性酸素・フリーラジカルは,それぞれ異なる物理化学的な特性をもっている。また,生体の恒常性を維持するために,さまざまな役割を分担している。 生体内では一つ一つの化合物が複合的な特性を示すためにその作用機序の詳細はほとんど明らかになっていないのが実情である。また活性酸素・フリーラジカル研究の応用分野が多岐に渡っているため,分野によって研究の進展に大きな差が生まれている。
とくに生体に関わる医学および薬学の分野では活性酸素・フリーラジカルの研究が不可欠なものとなりつつある。活性酸素・フリーラジカルが数々の疾病と関係が深く,とくに発癌の原因であるDNAの切断や炎症などにも関わっていることから,活性酸素・フリーラジカルの働きによって外部からの異物を排除することができることも判明してきている。活性酸素・フリーラジカルが有する様々な性質を解明することにより,病気の原因解明や新規治療法ならびに新薬の開発に有効に寄与すると思われる。 ここでは,様々な活性酸素・フリーラジカル研究の多様な側面について記述する次第である。

Key words:
Free Radical(フリーラジカル)/ Reactive Oxygen Species(活性酸素)/ Disingection(殺菌)/ Disease(疾患)/ Food(食品).