日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.11 (2013)

表題:
食品の微生物変敗防止技術と制御[1] 環境中の微生物と制御
著者:
宮地竜郎(東京農業大学生物産業学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.11,pp.635-641(2013)

自然環境中に生息する微生物は栄養形式により,独立栄養微生物と従属栄養微生物に大別される。生育環境に応じて栄養形式を切り替える微生物を除き,独立栄養微生物は生物由来の有機物を炭素源としないため食品を変敗させることはない。従属栄養微生物はエネルギー獲得形式より,紅色非硫黄細菌等の光合成従属栄養微生物と全てのカビ・酵母や多くの細菌が該当する化学合成従属栄養微生物に分けられる。特定の食品に対する侵害の程度は菌種ごとに異なるが,食品は動植物等を原料として製造・加工されたものであるため,自然環境中の大部分の化学合成従属栄養微生物は食品を侵害する潜在的な可能性があると考えられる。微生物による食品の侵害を大別すると,増殖により食品の変敗を,食品の摂取により食中毒を惹き起こす場合に分けられる。食品変敗は微生物増殖の各種環境要因を用いて,食中毒菌の汚染は衛生管理により制御することが可能である。

Key words:
Microorganism(微生物)/ Environment(環境)/ Control of microorganisms(微生物制御).