日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.12 (2013)

表題:
人工透析用水造水の補完技術として用いられている電気再生式脱塩(EDI)法の殺菌・エンドトキシン不活化メカニズムと水解離現象の関係に関する研究(原著論文)
著者:
阿瀬智暢,大友輝雄(ダイセン・メンブレン・システムズ(株)),野口武志((株)オスモ),尾ノ上真人(ヤマト科学(株)),桑原智之,佐藤利夫(島根大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.12,pp.647-657(2013)

高い電流密度で通電した場合,高い殺菌・エンドトキシン(以下ET)不活化効果が得られる傾向にあった。これは水解離現象の発生規模が拡大することに起因すると考えられる。一方,一定以上の電流密度では殺菌・ET不活化効果に差が無くなった。よって,水解離現象を一定以上の規模で発生させることが良好な殺菌・ET不活化効果に必要であり,また,それ以上に電流密度を上げても,殺菌・ET不活化効果が増大することはなく,最適電流密度条件が存在することが明らかになった。以上のことから,EDI法の高い除菌・殺菌効果およびET除去・不活化効果のメカニズムは,水解離現象が主体的なメカニズムであることが示唆された。しかしながら,どの程度の水解離現象を起こせば,確実に良好な殺菌・ET不活化効果が得られるかという指標(インジケーター)がなく,経験的に得られた高電流密度条件で運転するしかなかった。本研究により,電流/イオン負荷比が水解離現象の発生規模を示す指標となりえることが明らかになった。

Key words:
Electro De-ionization(EDI)/Current density(電流密度)/Water splitting phenomenon(水解離現象).