平成24年8月,北海道で発生した腸管出血性大腸菌(Entero-hemorrhagic E.coli, EHEC)O157による食中毒では,原因食品である浅漬が高齢者関連施設に流通していたこともあり,患者数169名,うち死亡者8名と大きな被害となった。
本事例の原因食品が浅漬であったことから,漬物の衛生規範の見直しが行われ,平成24年10月に改正(平成24年10月12日付け食安監発1012第1号「漬物の衛生規範の改正等について」)されたが,その際に厚生労働省薬事・食品衛生分科会食中毒・食品規格合同部会における審議資料として提出した中間報告書をもとに,微生物制御システム部会平成24年度公開講座において,講演させていただいた。
本稿では,講演内容の解説として,当該食中毒事例の概要と対応について紹介する。