日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.1 (2014)

表題:
食品の微生物変敗防止技術と制御[4] 包装餅の微生物変敗と制御
著者:
江川和徳(江川技術士事務所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.1,pp.45-49(2014)

包装餅の微生物変敗の防止には原料由来の一次汚染菌対策及び2次汚染防止対策及び汚染に強い特性の餅の調整が重要である。中でも重要なのが,一次汚染菌のカットで,そのためにはカビや耐熱菌汚染の低い鮮度の高い原料米選定と唯一の加熱工程である蒸し工程でccpがとれる精白処理である。鮮度の判定には発芽率で80%以上の原料を選定するかMR-BTB指示薬でグリーンに染まる原料米を選定する。精白は連座型の多段精米機で精白を行い精白度を88~89%と90%を切る精米が重要である。原型精白の判定はアルブミンとプロラミンの濃度比で行い紫外部吸光度比で1.2以下であれば原型精白されていると判断してよい。汚染に強い餅を搗くには汚染菌の増殖因子の水可溶性たんぱく質を増加しない蒸し圧力,蒸し時間の管理と蒸米放冷を適正に行い環境の菌を巻き込みやすい高粘着部位が生じない搗き方が重要である。

Key words:
包装餅/原料米対策/適正精白/蒸し工程/床管理/切断包装.