日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.3 (2014)

表題:
食品産業における硬質表面洗浄の理論と実際 [2] 洗浄の界面化学
著者:
福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.3,pp.127-133(2014)

洗浄は,汚れ/被洗浄体,汚れ/洗浄液(媒体+洗剤),被洗浄体/洗浄液における界面現象であると同時に,新たな界面が時々刻々と更新される動力学的現象である。洗浄剤は,洗浄系における各界面の状態を変化させ,汚れを除去しやすい状態に移行させる働きをする。洗浄における最初の界面現象は,汚れと被洗浄体が媒体である水によって濡れることである。その結果,汚れ-洗浄液および被洗浄体-洗浄液との界面自由エネルギーの低下や汚れの水和と膨潤,汚れと被洗浄体との間に静電的斥力が生じるなどして,汚れの離脱が起こる。そして,物理的作用力によって,界面の更新を手助けする。第2回目は,洗浄系の界面に働く各種の分子間相互作用と界面電気現象について解説する。

Key words:
Interaction between molecules(分子間相互作用)/ Interfacial free energy(界面自由エネルギー)/ Wetting(濡れ)/ Diffuse electric double layer(拡散電気二重層)/ Surface charge property(表面電荷特性).