日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.5 (2014)

表題:
食品産業における硬質表面洗浄の理論と実際 [4] 水と物理的洗浄力
著者:
福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.5,pp.253-259(2014)

食品工場の湿式洗浄において,媒体および洗浄力としての水の果たす役割はきわめて大きい。一見単純に見える物理洗浄においても,水を介することで,洗浄力の伝達や離脱した汚れの溶解と系外への排出は効率的に進行する。実際の洗浄では,水の溶解力と物理力だけでは洗浄は効率的に進行しないため,化学的洗浄力(洗浄剤)が用いられている。一方,いかに優れた洗浄剤でも,物理的作用力によって汚れの離脱や分散を促し,新たな界面を更新しなければ,洗浄は効率的に進行しない。つまり,化学的洗浄力を効果的に作用させるためには,物理的な作用力が不可欠なのである。これは洗浄の効率やシステム論と密接に関係している。第4回目は,媒体である水の洗浄特性上の特徴と,物理的洗浄力の作用効果を解説する。

Key words:
Water-based Cleaning(水系洗浄)/Advantages and Disadvantages of water(水の長所と短所)/Physics of cleaning(洗浄の物理)/Thermal energy(熱エネルギー)/Mechanical energy(機械的ネルギー).