日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.6 (2014)

表題:
弱酸性次亜塩素酸水溶液の白菜殺菌への適用(原著論文)
著者:
小野朋子,山下光治((株)エイチ・エス・ピー研究開発部),佐藤利夫(島根大学生物資源科学部生態地域環境科学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.6,pp.289-293(2014)

弱酸性次亜塩素酸水溶液は次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を混合してpH5.5~6.5に調整したものである。本研究では漬物原料の白菜を短時間で殺菌処理することを目的とし,弱酸性次亜塩素酸水溶液の適用を検討した。弱酸性次亜塩素酸水溶液で20秒間攪拌しながら洗浄殺菌することにより,98.6%の殺菌率が得られ,この値は漬物衛生規範の殺菌条件での殺菌効果と同等であった。また,クロロホルムの生成量は次亜塩素酸ナトリウムで処理した条件よりも抑制され,水道水で処理した場合と同等であった。よって弱酸性次亜塩素酸水溶液は,白菜の洗浄殺菌に有用性が高いことが示された。

Key words:
Weak acid hypochlorous solution(弱酸性次亜塩素酸水溶液)/Chinese cabbage(白菜)/Code of hygienic practice for pickled vegetables(漬物衛生規範)/Chloroform(クロロホルム)/Disinfection byproducts(消毒副生成物).