AOAC RIの簡易キットのためのValidationプロトコールに従って,開発した大腸菌大腸菌群数測定簡易キット(簡易キット法)を試験した。開発者が行う試験としてinclusivity study(包含性試験),exclusivity study(排他性試験),method comparison (方法の比較試験),lot-to-lot and stability studies(ロット間差・安定性試験),ruggedness testing(堅牢性試験)の5項目であった。また,independent validation study(第三者研究室による比較試験)による評価が必要であった。AOAC RIによるプロトコールで一番重要なのがmethod comparisonで,簡易キット法とAOAC Official MethodSM 966.24法(AOAC法)を並行して試験した。生肉5食材の3濃度を5重測定した比較試験結果(n=75)をプロットして得られた大腸菌数および大腸菌群数の決定係数はそれぞれ0.93で,良い相関であった。傾きは,大腸菌数で0.99,大腸菌群数で0.91となり1.0に近い値であった。independent validation studyは,米国の試験機関で行われ,簡易キットによる結果はAOAC法を用いた測定結果と矛盾のないことが確認された。