食品工場においては生産した製品の安全性と衛生状態を確認するために微生物検査を行なっている。その際の適否判定基準は法令順守と自主基準の観点から設定される。その判定基準に伴い,実施する検査項目が決められる。採用する検査法は,公定法,標準法,迅速簡便法の中から目的に応じて選定される。検査作業は,衛生的に管理された検査室内において,クリーンベンチ内で無菌操作にて実施される。機器としてはその他にオートクレーブ,恒温槽(インキュベーター),ストマッカーなどが必要となる。本稿では,定量検査および定性検査の代表例として,それぞれ一般生菌数,大腸菌群の標準的な検査法の概要を説明する。検査業務を適切に管理するためには,検査作業そのものの他に,精度管理やバイオセーフティについても配慮しなければならない。