日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.2 (2015)

表題:
微生物制御に関わる基礎的な背景と最新の話題[8] 清涼飲料分野における微生物制御
著者:
中西弘一(ナノ・マイクロバイオ研究所・中西技術士事務所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.2,pp.81−86(2015)

清涼飲料の製造工程における危害微生物は多種多様である。微生物制御上重要な危害微生物は,芽胞や胞子を形成するグラム陽性細菌群の「芽胞形成細菌」や,耐熱性の胞子を形成する「耐熱性カビ」が代表的である。製造工程でポイントとなるのは加熱殺菌工程と容器充填工程である。加熱殺菌条件が芽胞形成細菌に対して充分であるかどうか,そして容器充填時,芽胞形成細菌や耐熱性カビの混入を防げるかどうかが重要となってくる。多くの芽胞形成細菌では食品衛生法で定められた加熱殺菌条件で充分な効果が得られず,さらに高い加熱殺菌条件を設定する場合が多い。その加熱殺菌条件設定のための殺菌管理指標菌は,製品のカテゴリーによって菌種も異なり,また各飲料製造企業や原料供給企業で採用している殺菌管理指標菌も製品の成分や製造法など諸事情により異なっている。ここでは清涼飲料で一般的に採用されている殺菌管理指標菌について述べる

Key words:
Softdrink(清涼飲料)/ Fruit juice(果汁飲料)/ Spore(芽胞)/ Heat-resistance(耐熱性)/ Bacteria(細菌)/ Fungi(カビ).