食品製造業で品質管理業務の就職を目指す学生は学術的に必要な知識と実習を行い,技術者としてのスキルを学校で教育を受けことができる。しかし,就職をして組織の一員となれば,そのスキルを磨きながら組織が目指す方針を理解し,社会的責任を果たすべく高い意識を持って品質管理活動をしなければならない。よって,組織においては学術的な要素の教育に加え,組織方針の理解や自社製品に関する知識,生産現場の実態把握や製品がどのように販売されているかなど,所属している組織の活動全般において教育を行う必要がある。そこには,教育機関で得た知識に加え企業独自に必要な専門知識と現場経験によるOJTの組み合わせがポイントとなる。最終的にお客様に満足してもらえる品質管理とは何かを理解することができるよう,初期教育において抑えるべき事項と教育をする側の留意事項について,具体的な事例を交えながら紹介する。