ドロマイトに殺菌効果を付与する最適焼成温度およびその殺菌機構について検討するために,種々の温度で焼成したドロマイトの大腸菌に対する殺菌効果,物理化学性状,水和反応や活性酸素種生成能を比較した。その結果,840℃以上で焼成したドロマイトは顕著で高い殺菌効果を示した。しかし,840℃以上に焼成温度を上げても,殺菌効果は変わらなかった。800℃以上で焼成したドロマイトを加えた処理水のpHはpH 11にまで上昇し、脱炭酸反応の進行によるCaOの生成は800℃から顕著になったことから,CaOの水和反応に伴う水酸化物イオンの生成がドロマイトの殺菌機構と深く関係することが示唆された。結果として,ドロマイトに殺菌活性を付与する最適な焼成温度はコストの観点から840℃であることが分かった。