日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.5 (2015)

表題:
ドロマイトの焼成による殺菌効果の付与とその殺菌機構(原著論文)
著者:
壺井晃太朗,佐藤利夫(島根大学大学院・生物資源科学研究科),駒形忠晴,土澤利雄(栃木県石灰工業協同組合)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.5,pp.221−226(2015)

ドロマイトに殺菌効果を付与する最適焼成温度およびその殺菌機構について検討するために,種々の温度で焼成したドロマイトの大腸菌に対する殺菌効果,物理化学性状,水和反応や活性酸素種生成能を比較した。その結果,840℃以上で焼成したドロマイトは顕著で高い殺菌効果を示した。しかし,840℃以上に焼成温度を上げても,殺菌効果は変わらなかった。800℃以上で焼成したドロマイトを加えた処理水のpHはpH 11にまで上昇し、脱炭酸反応の進行によるCaOの生成は800℃から顕著になったことから,CaOの水和反応に伴う水酸化物イオンの生成がドロマイトの殺菌機構と深く関係することが示唆された。結果として,ドロマイトに殺菌活性を付与する最適な焼成温度はコストの観点から840℃であることが分かった。

Key words:
Dolomite(ドロマイト)/Calcium oxide(酸化カルシウム)/Calcination(焼成)/Disinfection(殺菌)/Hydroxide ion(水酸化物イオン).