) 住宅内の浮遊真菌の由来とその推移を明らかにすることを目的として,首都圏所在の2軒の戸建住宅を対象に,1年間に渡って室内浮遊真菌叢の調査を行った。結果,主にAspergillus,Cladosporium,Penicilliumが分離されたが,特に,Aspergillus section Restrictiが最も多く,年間を通して分離された。この結果から, section Restrictiは屋内環境に適応した発生様式を持ち,恒常的に住宅内の空気を汚染している状況が明らかになった。一方,屋内に浮遊するCladosporiumの多くは屋外を発生源として,屋内に流入している傾向が高いことが明らかとなった。