日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.7 (2015)

表題:
ポリエチレンスワブ棒を用いた拭き取りによる固体表面上の付着細菌数の測定精度の実験的検証(短報)
著者:
浦野博水(岡山県工業技術センター),大村宏之(一般社団法人 日本食品機械工業会),福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.7,pp.313−315(2015)

ステンレス鋼板に付着したEscherichia coliを対象に、先端がポリエチレン(PE)製のスワブ棒を用いた拭き取りによる菌数の測定精度を検証した。拭き取られたE.coliの総菌数は,菌体内のタンパク質の定量値から概算した。PEスワブ棒先端部に吸収された菌体からのタンパク質の抽出は,0.1%SDSを含有する0.1M 水酸化ナトリウム水溶液中で15分間湯煎煮沸することにより行った。寒天平板培地でのコロニー形成数(CFU)から求めた生菌数とタンパク質抽出量の間には,良好な相関性が得られた。拭き取り操作は,PEスワブ棒に吸水させる湿潤液として0.9%食塩水を用いて,約1,100 mNの押しつけ力で20秒間行った。その結果,PEスワブ棒を用いた拭き取りにより,少なくとも0.1~4.1×108CFUの付着菌数が,96.5%の高い回収率をもって精度良く測定できていることが確認された。

Key words:
Swab method(拭き取り法)/Polyethylene swab(ポリエチレンスワブ棒)/ Measurement accuracy(測定精度)/ Total cell number (総菌数)/ Protein assay(タンパク質定量).