日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.7 (2015)

表題:
食品の微生物変敗防止技術と制御[13] 酸性飲料の微生物変敗と制御
著者:
内藤茂三(食品・微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.7,pp.325−335(2015)

酸性飲料を変敗微生物として,カビ,酵母,そして細菌では乳酸菌,酪酸菌,好熱性好酸菌等がある。これらの中で,耐熱性の微生物は,子のう胞子を形成するByssochlamyces, TalaromycesNeosartorya, などのカビ,そして芽胞を形成する細菌として有芽胞乳酸菌であるSpololactobqacillus inulinus,酪酸菌であるClostridium pasteurianum, Clostridium butyricum,フラットサワー菌であるBacillus coagulans, 好熱性好酸性菌であるAlicyclobacillus acidterrestris等が挙げられる。
これらの耐熱性微生物による酸性飲料の変敗現象は混濁,菌糸生成,清澄化,異臭生成が中心である。耐熱性カビによる食品変敗防止対策はエタノール資化性の耐酸性カビが原因となる場合が多いので次亜塩素酸ナトリム,紫外線,オゾン,ヨードホール,有機酸等の殺菌剤や保存料の適正な使用が対策となる。耐熱性細菌による食品変敗防止対策は耐熱性減衰にリゾチーム,ポリリジン,プロタミン,脂肪酸エステル類等の食品添加物の併用及び紫外線,オゾン,有機酸の工場殺菌が有効である。

Key words:
酸性飲料/ 耐熱性カビ/ 有芽胞乳酸菌/ 耐熱性有芽胞菌/ 耐熱性好酸性細菌/紫外線/ オゾン.