外食店舗(すし屋)の衛生管理を行う際,何が問題となるかを把握するため,全店舗の微生物検査から得られたデータを解析し,管理上の問題点の抽出と改善策の実施を行い,改善策の有効性を検証した。データを解析した結果,汚染拡大経路が2経路あることが判明した。1つ目はダスターなどによる並行汚染,2つ目は調理器具の床への直置きなどによる床面から作業台へ汚染が移行する垂直汚染である。その結果,両者を断絶することが重要であると判断した。また,ダスターにおいて,大腸菌群の検出は一般生菌数の大小に関係するが,大腸菌の検出は一般細菌数の大小に関係しないことから,一般生菌・大腸菌群は野菜などの原料から店舗に入り,人由来と思われる大腸菌は地面から靴などを介して店舗に入ってくると考えられる。そこで,3つの対策 を実施した。