日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.11 (2015)

表題:
次亜塩素酸水溶液の霧化微細粒子による付着菌および空中浮遊菌の不活化
著者:
福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.11,pp.521−526(2015)

近年,多数の人が出入りする室内空間や製造環境において,ウイルスによる感染症の防止や空中浮遊菌による微生物汚染に対する対策が重要な課題となっている。この対策として,次亜塩素酸水溶液を超音波振動子により微細な霧状にして空間噴霧する殺菌法が注目されている。最近では,次亜塩素酸水溶液の霧化噴霧により,固体表面に付着した細菌の殺菌やウイルスの不活化を効果的に実施した研究例も数多く報告されている。次亜塩素酸水溶液の霧化噴霧の特長としては,微細粒子によって各種表面を濡らすことなく室内空間中に拡散でき,ヒトの皮膚や粘膜を刺激しないことなどが挙げられる。本稿では,超音波霧化された次亜塩素酸水溶液の微細粒子の直接噴霧および空間噴霧による付着菌,空中浮遊菌に対する不活化効果について解説する。

Key words:
Fogging Disinfection(霧化消毒)/Hypochlorite solution(次亜塩素酸水溶液)/Fine droplet(微細粒子)/Bactericidal and virucidal efficacy(細菌・ウイルスの不活化効果)/Airborne microorganism(空中浮遊菌).