近年,日本薬局方をはじめとする微生物試験法の質的な高度化と量的な拡大とが急速に進められており,準拠を考えるにあたっては,試験の迅速化を進めることが急務となっている。そのような中で局方にも,新たに微生物迅速法が収載され,13種類の測定法が規格化される運びとなっている。しかしながら迅速化に用いられる機械装置については電機や機械メーカーの手になるものが多く,装置開発の現場では,微生物に関する知識や技術の不足から開発の方向性を定めにくいとの声も耳にする。そこで,迅速化技術の最先端について,それにより解決された問題点と,その先へ進めるための課題などを,防菌防黴誌上を通じてご教示いただくことで,技術のクロスオーバーによる開発の進展へとつなげられないものかと考え,それぞれのテーマについての学識経験者でいらっしゃる数多くの先生方からご賛同をいただいたことを通じて本講座を開講することが可能となった。