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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.12 (2015)

表題:
アジア・アフリカの感染症動向 Ⅰ.感染症制御分野における日本の研究機関の役割
著者:
篠田純男(岡山大学インド感染症共同研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.12,pp.571−581(2015)

先進国では,死亡原因の多くは悪性新生物や,循環器疾患など,いわゆる生活習慣病となっているが,開発途上国では,未だに感染症が,かなりの割合を占めており,若年層の下痢や呼吸器感染症の比率が高い。国際交流が盛んとなった現在,食料の多くを輸入に頼っているわが国は,途上国の感染症動向に注意を払って,それらの国々と連携して十分な感染症研究をしておく必要がある。
個々の大学・研究機関等が独自の取り組みを行っているが,国としての組織だった取り組みも行われている。例えばJICAは幅広い分野での技術移転,協力を行っているが,医療分野での取り組みも多く,感染症でもエイズ,結核,寄生虫・マラリア,ポリオ,下痢症,ハンセン病など様々なプロジェクトが行われている。そして,研究面では,文科省が感染症研究国際ネットワーク推進プログラム(J-GRID)を立ち上げて,2005年に大学・研究機関の海外研究拠点を設置するシステムが形成され,2015年には新発足の日本医療研究開発機構AMEDの事業として引き継がれている。

Key words:
感染症制御/アジア・アフリカ/J-GRID/AMED/医療研究開発機構.