広範な微生物群を保存するNBRCでの保存方法と管理の実際について,真菌を中心に解説する。長期保存法は主に,凍結,真空乾燥(L-乾燥),継代培養維持の3種類で,凍結保存は更に超低温フリーザー(-80℃)と液体窒素タンク(-150~-170℃)の二通りを用いている。酵母と,胞子が大量にできる糸状菌の種や菌株はL-乾燥保存できるが,菌糸ばかり生育する菌株は凍結保存する。リスク分散として,別地保管や別の温度帯かつ別室におけるバックアップを行うのと,継代数を増やさないためのシードロットの管理保存を行っている。品質管理は生残性,純粋性,同一性について加速及び復元試験,形態観察とrRNAシーケンスを行っている。