Vol.44，No.1 (2016)

表題：

EDI法の殺菌・不活化効果と水解離現象の発生範囲（規模）との関係（短報）

著者：

片井祐太郎，宮本大右，佐藤利夫（島根大学大学院・生物資源科学研究科），笹井 亮（島根大学・総合理工学研究科）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.44，No.1，pp.3−7（2016）

EDI法においてイオン交換樹脂の充填方式を混床充填方式と積層充填方式に変更することにより水解離現象の発生範囲を変えて，殺菌・ウイルス不活化を検討した結果，E.coliやS.auresuに対して混床充填方式の殺菌効果が最も高く，積層充填方式よりも高い殺菌効果を示した。水中ウイルスの代替指標であるQβに対しても細菌と同様に混床充填方式で高い殺菌不活化効果が得られた。また各充填方式による殺菌効果および不活化効果の差は細菌よりもQβの方が明確であり，理由として表層構造の違いによると推察された。以上の結果よりEDI法の殺菌・不活化効果は，脱塩室内における水解離現象の発生範囲（規模）が大きいほど強く，水解離現象と密接に関係することが明らかとなった。

Key words：

Electro De-ionization（EDI）/Mixed-bed（混床充填方式）/Layered-bed（積層充填方式）/Water splitting phenomenon（水解離現象）．