欧州産ナチュラルミネラルウォーターの生菌数および従属栄養細菌数は銘柄により異なり,生菌数で100~103CFU/ml,従属栄養細菌数では0~104CFU/mlの菌数レベルであった。硬度と生菌数および従属栄養細菌数との間には特に相関は認められなかった。全般的な傾向として概ね,生菌数<従属栄養細菌数,混釈菌数<塗抹菌数(生菌数および従属栄養細菌数),35℃培養菌数<22℃培養菌数<20℃培養菌数となり,危険率5%で各検査方法により得られる菌数には有意差が認められた。以上の結果から,欧州産ナチュラルミネラルウォーター中の従属栄養細菌の検出には,塗抹法で低温での培養が良好であることが示唆された。また,分離菌の菌叢解析を行った結果,試料Aでは7種類,試料Bでは4種類,試料Cでは5種類の細菌が存在し,分離菌の種類と数は試料により異なったが,大別するとカタラーゼ陽性グラム陽性無芽胞桿菌(16株中2株)および非発酵性グラム陰性桿菌(16株中14株)が検出された。