日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.2 (2016)

表題:
水中微生物検査のありかた
著者:
岸田直裕(国立保健医療科学院 生活環境研究部 水管理研究領域),秋葉道宏(国立保健医療科学院 水管理研究分野)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.2,pp.69−73(2016)

水中にはヒトに対して健康被害を与える細菌,原虫,ウイルス等の病原微生物が存在しうることから,飲料水や公衆浴場等の微生物学的安全性を確保する上で,微生物検査の実施は重要な位置づけにある。水中微生物検査に求められる一般的な条件としては,再現性,信頼性,迅速性,高感度性等が挙げられる。微生物検査結果は,水道システム,公衆浴場等の管理に直結することから,迅速性は重要な条件である。また,水中の微生物濃度は臨床・食品検体と比べ著しく低いことから,高感度な検査法であることも求められる。現場レベルでは,大腸菌等の日常的に検査可能で病原微生物汚染の指標となる微生物が検査されることが一般的であるが,研究レベルでは,最新の分子生物学的手法を取り入れ,水中の病原微生物を網羅的に検出する試みも行われている。

Key words:
Microbial analysis(微生物検査)/Pathogenic microorganisms(病原微生物)/Water(水).