洗浄殺菌は食品衛生や医療衛生において重要なものであり,教育訓練も必要である。しかし,実際に洗浄殺菌の作業に従事する方は専門知識を有しないことが多く,教育訓練の方法にはいまだ課題が多い。情報提供のプロセス,提供する情報の加工の方法,事故の起こるパターンの分析,そして現場での対話の必要性,これらについて配慮する必要がある。情報を受信する側では,全体像を先に把握し,その全体像の範囲で詳細情報を受け取ることで理解しやすくなる。また,自身が実感できる事例に置き換えることで,その情報を受け取る準備ができる。そして,それらの知識を体験によって習得するが,そこではエピソード記憶によって覚えることが必要である。主役は「現場の方々」であり,教育訓練を実施する者はそこに浸透する工夫をする努力が必要である。