日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.6 (2016)

表題:
微生物試験迅速化技術の現状と展望[8] イムノクロマト法を用いた食中毒菌の簡便・迅速検出
著者:
和田さと子(メルク(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.6,pp.319−324(2016)

イムノクロマト法は,標的に対する抗原抗体反応をメンブレン上で起こさせ,その反応の有無を目視にて観察する方法である。他の簡便・迅速法に比べ操作が容易で,低コストで導入できるという特徴がある。あくまで増菌培養が必要で,定量はできないが,操作が簡単なため人による技能の差は出にくい。また,公定法やISO法等と比較すると判定までの時間を1~2日短縮することができる。したがって,「公定法では煩雑で日常の検査には取り入れ難い」,「少しでも早く判定をして製品を出荷したい」「検査コストは抑えたい」という場合に適した手法と言える。イムノクロマト法に限らず,簡便・迅速法に関する技術は年々進歩しており,新しい製品も出てきている。簡便・迅速法の導入に際しては,妥当性確認についてメーカーから情報を得るとともに使用者それぞれが検討を行った上で導入することが勧められる。

Key words:
ラテラルフロー/リステリア/サルモネラ/免疫クロマトグラフィー/カンピロバクター.