事務所ビルなどある規模以上の建築物においては,建築物衛生法により管理基準が定められ,室内環境の維持管理が行われている。本報告においては,建築物における室内空気質の概要として,建築物衛生法に定められている環境管理項目の適合状況について概説し,建築物における環境衛生の現状について示す。また,室内空気汚染物質について,化学物質及び浮遊粉じんの中でもPM2.5を対象に,実測調査結果を元に室内濃度の現状を紹介する。更には,PM2.5と関連する室内超微粒子の発生源及び除去対策について述べると共に,室内におけるハウスダストの課題についても説明することで,今後の室内空気質の検討すべき項目について挙げる。