日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.7 (2016)

表題:
微生物試験迅速化技術の現状と展望[9] 化粧品・トイレタリー製品に対するATP「高感度」微生物迅速検出
著者:
平元高広((株)ベリタス)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.7,pp.367−370(2016)

従来の日本薬局方(日局方)の微生物限度試験法や無菌試験に代替しうる方法の一つとして,微生物が産生するATP(アデノシン三リン酸)を基質にした微生物測定法がある。平成26年9月分の日本薬局方収載原案に関する意見募集の中で微生物迅速法が挙げられ,医薬品・化粧品等にATP微生物測定法が広く普及する可能性が出てきた。ATP微生物測定法は,前培養にかかる時間を大幅に短縮し,細菌・酵母・カビに対応しうるスクリーニング法として非常に有用である。本稿では,微生物の菌体中に存在する酵素を活用してATPを効率良く産生させることで,化粧品・トイレタリー製品中に混入した微生物の有無を迅速で高感度な検出を実現した,ATP「高感度」微生物迅速測定の最新情報を紹介する。

Key words:
微生物限度試験法(microbial limit test method)/ATP(adenosine triphosphate)/化粧品(cosmetics)/トイレタリー(toiletry).