122台の一般家庭のエアコンについて,2015年秋にカビ汚染調査を行った。調査したフィルターのホコリの約61%から40℃でも生育する好温性カビが検出された。とりわけ,日和見感染症の原因菌として知られているA. fumigatusは約16%のフィルターから検出された。フィルターにおけるホコリの蓄積が,好温性カビの温床を作り出していると思われる。エアコンに生えるカビは,空気を介して人が吸入する可能性が高いので,健康影響に注意する必要がある。一方,送風ファンや熱交換器などのエアコン本体の各部分についてカビのふき取り調査を行った。送風ファンや吹き出し口などの内部では,フィルターのホコリより好湿性カビが多く認められた。内部にも好温性カビは検出されるが,フィルターほど,好温性カビの比率は高くないと考えらえる。