浴槽水を原因とするレジオネラ症が発生することから,レジオネラ属菌をはじめ,浴槽水の微生物汚染の実態調査と対策がなされている。浴槽水のレジオネラ属菌検出率は約13%であり,塩素消毒が不十分な掛け流し式温泉で高い傾向にある。この他調査期間や浴槽形態は様々だが浴槽水からの検出率は,抗酸菌13.7%,大腸菌群46.8%,緑膿菌29.0%,黄色ブドウ球菌29.5%,アメーバ46.0%である。真菌類も壁面等から多く検出される。浴槽水はレジオネラ属菌を不検出(10 CFU/100mL未満)とすることが定められている。この為に設備構造,維持管理面で様々な対策が実施される。特にバイオフィルム付着防止,バイオフィルム除去の化学洗浄,継続的な残留塩素維持が有効である。対策に際しては,現状把握と効果評価のために正確なレジオネラ属菌検査を行う。