日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.10 (2016)

表題:
温浴施設の微生物汚染の現状と対策
著者:
縣 邦雄(アクアスフロンティア(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.10,pp.529−535(2016)

浴槽水を原因とするレジオネラ症が発生することから,レジオネラ属菌をはじめ,浴槽水の微生物汚染の実態調査と対策がなされている。浴槽水のレジオネラ属菌検出率は約13%であり,塩素消毒が不十分な掛け流し式温泉で高い傾向にある。この他調査期間や浴槽形態は様々だが浴槽水からの検出率は,抗酸菌13.7%,大腸菌群46.8%,緑膿菌29.0%,黄色ブドウ球菌29.5%,アメーバ46.0%である。真菌類も壁面等から多く検出される。浴槽水はレジオネラ属菌を不検出(10 CFU/100mL未満)とすることが定められている。この為に設備構造,維持管理面で様々な対策が実施される。特にバイオフィルム付着防止,バイオフィルム除去の化学洗浄,継続的な残留塩素維持が有効である。対策に際しては,現状把握と効果評価のために正確なレジオネラ属菌検査を行う。

Key words:
Bath(浴槽)/Spring(温泉)/Legionella(レジオネラ)/Acid-fast bacilli(抗酸菌).