Vol.44,No.11 (2016)
- 表題:
- 食品・医薬品・環境分野等の微生物試験法および微生物汚染の制御に関する最近の話題[1]
「第17改正日本薬局方」無菌試験法
- 著者:
- 山崎健一((一財)日本食品分析センター)
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.11,pp.629−632(2016)
日本薬局方の無菌試験法は,規定された供試量について,規定された試験条件(培地・培養温度・培養期間)で試験したときに微生物の増殖が肉眼的に観察できるかどうかを調べる試験法である。また,その適用対象は,無菌であることが求められている原薬又は製剤(例えば,注射剤,点眼剤,眼軟膏剤)である。本試験法は,医薬品各条に規定されている場合を除き,直接法又はメンブランフィルター法のいずれで試験を行っても構わない。なお,本試験に適合する結果が得られても,それは単に本試験条件下で調べた試料中に微生物が検出されなかったことを示すだけであり,無菌性が保証されるものではない。本稿では本試験法について概説する。
- Key words:
- The Japanese Pharmacopoeia(日本薬局方)/Sterility Test(無菌試験法)/Fluid Thioglycollate Medium(液状チオグリコール酸培地)/Soybean Casein Digest medium(ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地).