名古屋学芸大学管理栄養学部に給食管理実習室が設置されるにあたり二次汚染リスク低減の為,衛生管理システム構築を検討した。その中で洗浄除菌および保管状態の管理については重要であり,特に各個人による洗浄状態の差を無くす上では洗浄オペレーションの統一化を目的としたイラストマニュアル作成とチェックリストの運用は有効な一つの手段と考えている。しかしながら教育啓発の仕組みも同時に整っていなければ現場への定着化が不十分となる恐れがある。本稿で紹介したユーザー事例においては,現場への定着化が実現する為に,次の3つのポイントが挙がった。「現場の意見を取り入れたマニュアルにする」,「反復学習を行える環境」,「現場の状況を定期的に確認する」の3つである。こうした教育啓発活動の積み重ねにより二次汚染を原因とする食中毒発生リスクの低減に繋がるものと考える。