清掃は美観の維持以外に汚れなどの汚染物質を適切に除去することによって,衛生的環境を確保や安全の確保,保全の向上等につながる。
建築物衛生法では掃除を日常に行うことと,大掃除を6月以内ごとに1回,定期的に,統一的に行うことが規定されているが,管理の都合上,実施できていない例もある。
建物内が管理不十分の場合,不衛生な状態(ごみやほこり,汚れが堆積)となり,衛生害虫や微生物の発生原因となりうる。また不適当な清掃によって二次汚染や感染拡大することもあるため「たかが清掃されど清掃」である。
本文では,建築物清掃とその現状を示し,建物内における微生物汚染の実態,清掃作業における微生物抑止対策,近年ビルメンテナンスの分野でも活用されているATP法を用いた清掃評価等について解説した。