Vol.45,No.1 (2017)
- 表題:
- キセノンエキシマランプを用いた真空紫外放射(VUV)による微生物の不活化(原著論文)
- 著者:
- 吉野 潔(岩崎電気(株)),木下 忍((株)アイ・エレクトロンビーム),岩森 暁(東海大学)
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.1,pp.9−16(2017)
中心波長172nmの真空紫外(VUV)を放射するキセノンエキシマランプを用いて,窒素雰囲気下でVUVの微生物に対する不活化効果を調べた。枯草菌(B. subtilis)芽胞と黒カビ(A. brasiliences)胞子を指標微生物として使用して紫外線照射量と生残数の関係を調べた結果,VUV照射もUV照射と同様に,微生物に対する不活化効果を紫外線照射量で規定することが可能であり,VUV照射に対する微生物の感受性はUV照射とは異なることが分かった。
すなわち,枯草菌芽胞に対してはUV照射が,黒カビ胞子に対してはVUV照射が不活化効果が高く効果的であることが分かった。
- Key words:
- Xenon excimer lamp(キセノンエキシマランプ)/VUV=Vacuum Ultraviolet irradiation(真空紫外放射)/UV=Ultraviolet irradiation(紫外放射)/Inactivation(不活化)/Sterilization(殺菌)/Real-time PCR(=polymerase chain reaction PCR)(リアルタイムPCR).