2016年3月の第十七改正で改訂が実施された日本薬局方一般試験法<5.02>について,その背景や変更点を記載する。本試験法は適用対象を明確化させるため,名称が「生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物限度試験法」となった。改訂による変更は生菌数試験をはじめとして全体に及ぶ。特に大きな改正がなされた特定微生物試験法は,大腸菌試験,サルモネラ試験について,試験法の特異性を向上させるため,手順,培地や培養温度が変更された。この2つの試験法では,選択培地に酵素基質培地が使用可能となった。また,腸内細菌およびその他グラム陰性菌試験は胆汁酸抵抗性グラム陰性菌試験に名称が変更となり,EP(欧州薬局方)8.0と同じ方法となった。
同時に参考情報G4「非無菌医薬品の微生物学的品質特性」内に掲載の生薬関係の微生物限度も,EP8.0の許容基準値を参考とし,総真菌数,大腸菌などの許容基準の変更や最大許容値の設定などの変更がされた。