日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.3 (2017)

表題:
化粧品の防腐技術者のための講座[6] 化粧品の防腐力の予測法
著者:
谷口康将(御木本製薬(株) 開発推進センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.3,pp.141−146(2017)

化粧品の防腐に使用される抗菌成分は,ヒト皮膚に対して刺激等の原因になりうることから,必要最少量の使用が望まれる。この量は保存効力試験によって決定されるが,試験には1か月を超える期間が必要であり,最少量を求めるためには試験を繰り返す必要があるため,さらに長期の試験期間が必要となる。従って防腐に必要な抗菌成分の量が予測できれば,速やかな化粧品開発が可能と期待される。そこで,われわれは抗菌成分の最小発育阻止濃度(MIC)を指標に,化粧品の防腐力を精度よく予測する方法を作成した。現在では,その後に得られた知見をもとに,若干の修正を加えて本法の運用を行っている。本稿では,その最新の方法について述べる。

Key words:
Minimum Inhibitory Concentration:MIC(最小発育阻止濃度)/Challenge test(保存効力試験)/Antimicrobial index(抗菌指数).