化粧品の防腐に使用される抗菌成分は,ヒト皮膚に対して刺激等の原因になりうることから,必要最少量の使用が望まれる。この量は保存効力試験によって決定されるが,試験には1か月を超える期間が必要であり,最少量を求めるためには試験を繰り返す必要があるため,さらに長期の試験期間が必要となる。従って防腐に必要な抗菌成分の量が予測できれば,速やかな化粧品開発が可能と期待される。そこで,われわれは抗菌成分の最小発育阻止濃度(MIC)を指標に,化粧品の防腐力を精度よく予測する方法を作成した。現在では,その後に得られた知見をもとに,若干の修正を加えて本法の運用を行っている。本稿では,その最新の方法について述べる。