日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.8 (2017)

表題:
やさしい微生物制御の基礎[19] 薬剤微生物制御 その2
著者:
高麗寛紀(髙麗微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.8,pp.403−410(2017)

微生物制御技術をこれから学ぼうとする日本防菌防黴学会員の若手技術者に向けた講座「やさしい微生物制御の基礎[19]」,薬剤微生物制御 その2では定量的構造活性相関(QSAR)による抗菌剤の分子設計について解説した。
モノ型のヨウ化N-アルキルピリジニウム(P-n)をリード化合物として高い殺菌活性と広い抗菌スペクトルを有するジェミニ型構造を有する4,4’-(1,6-ヘキサメチレンジチオ)ビス(1-オクチルピリジニウムアイオダイド)の開発に至った分子設計の過程を分かり易く解説した。さらにジェミニ型の殺菌活性の特性(pHに非依存,温度に非依存,共存タンパク質に非依存,細菌表面疎水性に非依存)及び殺菌機構(アレニウスプロットによる殺菌の律速段階と薬剤の一次作用点)などについて分かり易く解説した。

Key words:
Quaternary ammonium salts(第四アンモニウム塩)/Pyridinium salts(ピリジニウム塩)/QSAR(定量的構造活性相関)/MIC(最小発育阻止濃度)/MBC(最小殺菌濃度)/Mechanism of bactericidal action(殺菌機構).