日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.11 (2017)

表題:
食品・医薬品・環境分野等の微生物試験法および微生物汚染の制御に関する最近の話題[12] 住環境における微生物試験の現状と問題点
著者:
菊野理津子((一財)北里環境科学センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.11,pp.543−550(2017)

近年,住環境において,より快適で衛生的な暮らしが望まれている。住宅に使用される壁材や床材等には抗菌性能が付与され,また除菌機能を有する家電製品や除菌効果のある衛生用品が求められている。抗微生物性能を有する製品には,製品や用途に応じてJIS規格や業界団体の自主規格の試験による評価基準が示されている。種々の規格があるため,それぞれの性能を的確に把握することは難しい。硬質表面における抗菌性評価試験法である「JIS Z 2801 抗菌加工製品-抗菌性試験方法・抗菌効果」と「JIS R 1702 光触媒加工製品の抗菌性能」では,試験菌種,菌液調製の条件は共通であるが,作用温度や時間が異なっており,抗菌活性値の捉え方に違いがある。本稿では,JIS規格による評価試験,ならびに,抗微生物性能を認証している抗菌製品技術協議会,日本建材・住宅設備産業協会,繊維評価技術協議会,光触媒工業会等の団体における抗微生物性能評価試験と基準の概要を中心に紹介し,また問題点についても言及した。

Key words:
Antibacterial products(抗菌加工製品)/Antibacterial activity(抗菌性能)/Antifungal activity(抗かび性能)/Antiviral activity(抗ウイルス性能).